日経ヴェリタス 2008 6 22

日経ヴェリタス(6月15日〜21日 第14号)
 日経ヴェリタス第14号では、日本の個人金融資産の記事があります。
個人金融資産は、1500兆円と言われていますが、
その内訳は、世代別では、60歳以上で946兆円、
50歳以上でみれば、1276兆円となります。
つまり、個人金融資産の大部分が中高年世代となります。
 よく「貯蓄から投資へ」と言われますが、
このような「年齢構成」では、積極的にリスクを取るのは、難しいかもしれません。
とりわけ、60歳以上の世代に「リスクを取って運用」というのは、
厳しいかもしれません。
(もちろん、金融資産における「偏った年齢構成」が、永遠に続くわけではありません。
将来的には、相続が発生するでしょう)
 次に、個人金融資産を金融商品ごとに分類すると、どうなるか。
ヴェリタスの記事によれば、2007年末の時点では、784兆円が現預金で、
二番目に多いのは保険・年金の404兆円となります。
 別の記事を見ましょう。
昨年、金融商品取引法の導入後、投資信託を売る現場は、どうなったか。
それについての覆面調査の結果があります。
「国債と外債ファンドを買おうとすると・・・
窓口説明 最短35分、最長1時間半」
 この問題については、私も、昨年の暮れ(2007年12月末)に体験してみました。
銀行の窓口で、外債ファンドを買うとなると、どのくらい時間がかかるか。
私の場合は、金融商品取引法に基づく商品説明が、休憩なしで、2時間かかりました。
「こんなに長くかかるとは」と思いました。
 これでは、忙しいサラリーマンだけでなく、
高齢者も体力的に疲れて、買う気がなくなってしまいます。
こういう点は、改善すべきだと思いました。
(日経ヴェリタスに興味を持った方へ 日経ヴェリタスは、一部の駅売店で売っています)

高齢者の不満 2008 6 1

いつだったか、これは、4、5年前の話だったと思います。

高齢者「いくら貯金をしていても、今はゼロ金利というやつで、
    ちっとも利子がつかない。実に、けしからん」
私「いや、今は、実質的に利子がついているようなものです。
 デフレから利子をもらっているようなものです。
  たとえば、1個100円商品が、1か月後は98円になっていたとします。
 半年後には94円に、1年後には89円になるかもしれません。
  このような場合は、商品の値段が下がったと考えるより、
 100円硬貨の価値が大きくなったと感じるべきです。
  つまり、デフレの時は、何もしなくても、
 たとえ金利がゼロでも、お金の価値は増えているのです。
 そういうわけで、デフレの時は、タンス預金が、ベストな資産運用となるかもしれません。
 ただし、泥棒に盗まれるというリスクがあります」

 さて、2007年は、身近な食料品の値上げラッシュの秋でした。
最近でも、毎月のように、身近な食料品の値上げというニュースを聞きます。
 このような経済情勢になってくると、高齢者の不満は大きくなるでしょう。
もちろん、勤労者の不満も大きくなっているでしょう。
給料が全然上がらないのに、食料品の値上げラッシュが続いています。

内閣支持率 2008 1 19
 外国では、物価上昇が「政権への不満」につながります。
これは、日本でも、同じことが言えるでしょう。
(日本では、2007年秋、身近な食品が値上げラッシュの秋となりました)
 もちろん、一般大衆は、
インフレやデフレという専門用語は知らないでしょうが、
毎日の買い物を通して、本能的には理解しているでしょう。

between deflation and inflation 2004 2 14
 最近(2004年2月14日当時)、新聞で、よく見かける言葉があります。
それは、「原料価格の上昇」という言葉です。
また、「海上運賃の高騰」という言葉もあります。
 原油価格は、今後、中国で、
大きく需要が増えるので、上昇するでしょう。
 多くの人が、デフレを警戒していますが、
そろそろ、インフレも考慮すべきです。
 しかし、景気は、全体では、好調とは言えない状態です。
さらに、賃金も、全体では、相変わらず、現状維持か、減少傾向にあります。
これでは、価格転嫁ができないでしょう。
 こうして、デフレ基調は減少するが、
しかし、インフレにもならない(between deflation and inflation)。
 ただし、こういう状態は、いつまでも続けられるものではありません。
エネルギーが貯まって、限界に達した時に、
そのエネルギーは、どちらかの方向に放れるかもしれません。
 ところで、「between deflation and inflation」に、
ちょうど、イメージが合致する日本語が思いつかないのです。
 いずれにせよ、日本経済が、「弁慶の立往生」とならないように、
今後、到来する、「経済的難局」を乗り切る必要があります。


















































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